ブリーフセラピーのケースフォーミュレーション


長谷川明弘

ブリーフセラピーのケースフォーミュレーション=オンゴーイング・アセスメント-初回面接の逐語録を提示して-,

2019,林直樹・下山晴彦+精神療法編集部,

精神療法 増刊第6号「ケースフォーミュレーションと精神療法の展開」pp.211-223.金剛出版 

2019年5月刊

 

 

▶ケースフォーミュレーション(Case Formulation)は、1950年代以降に英国と米国を中心に行動療法が著しく医療現場に普及していく時期に、医学的診断分類(medical diagnosis)の限界を超えようして心理療法をどのように臨床現場で適用していくのかを工夫していく中で開発された経緯がある。

 

▶ブリーフセラピーの中にオンゴーイング・アセスメント(ongoing assessment)という考え方がある。オンゴーイング・アセスメントは、治療面接のあらゆる過程で、絶えず進行・継続しているアセスメントのことである(Bertolino & O'Hanlon,2002)。

 

▶本論の目的は、「オンゴーイング・アセスメント=ブリーフセラピーのケースフォーミュレーション」であることを示すことである。

 

▶ブリーフセラピーをケースフォーミュレーションの枠組みで取り上げていくために、初回面接のやりとりを具体的に素材として示し、第2回目から第6回目の終結までは面接の要点を提示した。ブリーフセラピーは、解決に向けた仮説設定と介入(質問)、検証を繰り返す「オンゴーイング・アセスメント」が、ケースフォーミュレーションと同義語と考えられ、素材の中に示された「やりとり」を通じて、未来に焦点を当てた解決像を個人別に仕立てて共有していき、セッションをまたがずに1回の面接毎に検証して、区切りをつけていくところであると考えられた。さらにはその過程に「微分」のような所があると考えられた。事例が奏功した過程ならびに仕組みを解説し、解決志向モデルのミラクル・クエスチョンに類する質問である「パズル・ピース・メソッド」を提示し、メタファーでの構造の同型性に注目した説明を行った。

  

▶キーワード:ブリーフセラピー(Brief Therapy)、ケースフォーミュレーション(Case Formulation)、オンゴーイング・アセスメント(ongoing assessment)

  • 個人情報保護のためWEBでの公開を控えております。
  • 入手を希望の方は上記ボタンをクリックして請求してください。 ただし専門職や研究者に限定。
  • あるいは、刊行された書籍を購入するなどして頂ければ幸いです。