長谷川明弘 (2011)
対人場面での手の震えを訴えた学生への臨床動作法による支援過程
日本臨床動作学会第19回学術大会,プログラム・抄録集p.38-39 京都・京都テルサ:9月17日
- 概要:大学院進学を予定している学生(Cl)が大学卒業を控えて学生相談室へ来談した。大学2、3年のころから人前で作業をするときに手が震えることに気づき、最近どうにかしたいと強く思うようになったので来談したと訴えた。
-
- 臨床動作法を適用して支援を行った。あぐら座での上体起こしや、立位での三点曲げを提示した。
- 3ヶ月半の経過(12回の面接)を経て、内省を深めることが出来るようになり、さらには主訴への対応が可能となったことにより終結となった。
-
Clは、ものごとを手際よく素早く作業をするやり方(=速度重視体験)をしてきた可能性がある。動作面接では、提示された動作課題に対して、素早い動きで形式的な側面を重視していたように推測した。面接者(Th)は、ゆっくりと動かすように教示し、動作課題の過程に対してじっくりと向き合うことを求めた。合わせて動作課題の中で感じたことを報告するように求めた。じっくりと動作課題に向き合うこと(=没入体験)したあと、そこから解放された(=脱中心化)中で、物事の捉え方が変化したと思われた。
-
キーワード:脱中心化 自体への注目 最適化