長谷川明弘・藤原佳典・星旦二(2015)
2000年から2014年までの我が国における生きがい研究の動向-生きがい研究の「ルネッサンス」-,
生きがい研究21巻,p60-143
2015年3月23日
- 様々な生き方を選択できるようになった現在、すべての世代において自分の生き方を見つめ直すキーワードとしての「生きがい」の在り方が重要となってくる。
- 高齢者の「生きがいづくり」を目的とした各種事業への介入効果の測定が、時代的要請として課せられ、施策の評定を含むプログラム評価研究(安田ら,2008)の実施が求められる時代が到来する可能性がある。
- 今後は、このような自治体の施策に役立てられる資料となり得る生きがいに関する実証研究を蓄積し、さらにはプログラム改善にも有効な情報を提供する尺度を用いた研究が求められる。
- その上で「生きがい」の増進をねらった具体的な手法の開発も望まれる。尺度を用いた量的な分析からの研究だけではなく、面接法によりデータを集めて質的な検討を加えた研究や個々の事例を集約の上での検討が行われる必要もあろう。
- 本研究では、生きがい研究が21世紀に入ってから再び活発になっていることを取り上げている点で、生きがい研究の「ルネッサンス」を迎えたことに注目している。
- 本論文の目的は、2014年10月1日現在で2000年から2014年に学術誌を中心とする国内で報告された「生きがい」に関する研究論文の144編の動向を取り上げて、今後の生きがい研究の課題と研究の方向を考える際の資料とすることである。
- 具体的には、生きがいの定義、生きがい測定の仕方、研究対象者の特徴、調査方法・研究デザイン、研究成果に注目して体系的な総説をまとめた。
- 論文末尾には各論文毎に表としてまとめ資料として示した。
キーワード:生きがい(IKIGAI)、展望(review)、ルネッサンス(renaissance)